恐るべき後厄

去年の本厄では、正式に糖尿病デビューして薬物療法になったり、頚椎症が再発して一時右腕が不具合を起こしたり、惨々な目に遭った。
今年は後厄である。まだ3ヶ月しか経ってないのに、すでに数々の不運に見舞われている。後厄も恐ろしいものだとつくづく感じている。ざっと今年のこれまでの厄を挙げてみようと思う。
①正月早々、血糖値(ヘモグロビンA1C値)が、歴代2位の高い値を記録する。
②原付バイクで、一時停止義務違反の反則切符を切られる。【人生初】
  (変則的な交差点であり、明らかに待ち伏せの狙い撃ち)
③車のライト消し忘れでバッテリーが上がり、レスキューの世話になる。【人生初】
④芦ノ湖のニジマス釣りで、釣果ゼロに終わる。【人生初】
  (例年は、20匹~100匹くらい必ず釣れた。暖冬の影響か)
⑤世界同時株安の影響を、直に受ける。【人生初】
  (結果的に損はしてないが、下がり続けた1週間は悪夢だった)
⑥保冷剤の液が漏れて、釣った魚が液まみれで食えなくなる。【人生初】
こうしてみると、去年の本厄は健康被害で、今年の後厄は、細かい不運と不注意の連続攻撃のようだ。ひとつひとつは、それほど深刻な事態ではないかも知れない。しかしこう【人生初】のことが続くと、妙に気になってしまう。
特に、クルマ関係の不祥事は、心理的に大きなダメージを受けた。いまでも、白バイやパトカーを見るとビクっとするし、テレビで「警察24時」みたいな番組をやっているとチャンネルを変えてしまう。また、車を駐車しておいて、発車するときには、エンジンがかかるかドキドキする。
この程度の出来事で、こんなに神経質で弱気になってしまうこと自体、年齢に応じて、ものごとに対して保守・保身へと気持ちが傾いている証拠だろう。やはりそういう年齢、つまりは後厄のなせる業かなと思う。それより、こんな記事を書いている今現在の瞬間が、弱気の状態だということだ。

新穂高温泉「佳留萱山荘」

21日~22日で、岐阜県の新穂高温泉へ行った。
新穂高温泉は、奥飛騨温泉郷の中でも最も山深い位置にあり、北アルプスの穂高連峰の登山基地でもある。蒲田川の清流に面した巨大な露天風呂を持つ温泉宿が多くある。場所のイメージとしては、「上高地から岐阜側へ、ひと山こえたところ」という感じである。
マイカーで行くには遠いので運転が大変だ。となると、長時間のバス乗車が必須となり、なかなか行きにくい温泉地だ。鉄道だと、長野県の松本駅か、岐阜県の高山駅になるが、どちらからでも、バスで1時間30分以上かかる。
その交通の便の悪さから、今まで行きたくてもなかなか機会がなかった。しかし、そろそろ近場の温泉地のネタが尽きてきたので、意を決して行くことにした。今回、マイカー以外では最も交通費の安い「高速バス+路線バス」という手段を用いた。往復で、11460円である。次のとおりだ。
新宿 → 高速バス4時間30分 → 平湯温泉(奥飛騨温泉郷の入口)
平湯温泉 → 路線バス40分 → 新穂高温泉
宿泊した宿は、これも以前からぜひ行きたかった宿である。JTBでネット予約した。
奥飛騨温泉郷/新穂高温泉 水明館 佳留萱山荘(日本秘湯を守る宿)
この宿の「大露天風呂」は、日本全国でも3本指に入る大きさの「混浴露天風呂」として有名だ。別に混浴に拘ることもないんだが、「秘湯・一軒宿・巨大露天風呂」というコンセプトで探すと、たいてい混浴なのだ。
露天風呂は庭園風で、3つに仕切られた湯船は、ざっと見たところ、テニスコートくらいはある。しかも、巨大な岩によって囲まれている。5m四方くらいはある一枚岩や、高さ8mくらいの岩山から湯が流れ出ている。1方は蒲田川の川原に面している。非常にダイナミックでワイルドな露天風呂だ。岩を組み合わせて作られた洞窟もある。宝川温泉「汪泉閣」の3つの混浴露天風呂を、1ヶ所に集めたくらいの広さはある。
食事も1.5k円クラスの宿としては、まあまあ納得のいく内容だった。飛騨牛のステーキと、アマゴ(関西版のヤマメ)の塩焼きなど、地元の食材も楽しめた。ただ、山荘とあるように、建物や内装は決して豪華ではない。隣の部屋の音がけっこう聞こえてしまうので、若いカップルは要注意だ。でも、宿の人のサービスは良かったので、総合的には、わざわざ5時間以上もバスに揺られて行っても、満足のいく宿だった。2日目の朝は、宿の人が西穂高ロープウエイまで車で送ってくれた。
2日目はまず、ロープウエイに乗って、西穂高岳の中腹へ行ってみた。周りは一面の雪で、景色も曇っていてよく見えなかった。この時期では早すぎの場所だった。そのあと、ロープウエイを降りて、徒歩で、「深山荘」という宿へ立ち寄り湯に向かった。ここの露天風呂もかなり大きくて、目の前を蒲田川が流れている。お湯に浸かっている間に、雪が降り出した。本降りになった。
次に、帰りの高速バスの出発地である平湯温泉へ向かう。平湯温泉には、「ひらゆの森」という、かなり規模の大きい日帰り温泉施設がある。宿泊もできるのだが、今回は立ち寄り湯にした。
実は、リゾートアルバイターをしている友人のオカチン(という呼び名だが、10才くらい年下の女性である)が、最近この「ひらゆの森」で働いているという情報を得ていた。アポなしで、会えるかどうかもわからず行ってみたら、いきなり受付の女性と目があって、よ~く見ると、オカチンだった。西表島で会って以来、6,7年ぶりである。いつも妙なところで再会するものだ。仕事が受付なので、あまりムダ話をするワケにもいかず、あいさつ程度しかできなかった。
「ひらゆの森」は、バスターミナルから徒歩3分くらいで便利だ。お風呂も男女合わせて13個もあるそうだ。食事処も休憩所もある。これで500円なので、激安だと思った。露天風呂では、雪が本降りなので、ちょっと上半身などをお湯から出すと冷たい雪に襲われてしまう。それで、あまり長居することができなかったが、ちょうど高速バスの時間になったので、帰路についた。
新穂高温泉には、今回訪れた2つの宿以外に、まだ行かなければならない宿が3つある。「穂高荘 山月」、「穂高荘 山のホテル」、この2つの宿の露天風呂は、外来入浴を受け付けていない。なので宿泊で行かなければならないが、2つの宿は同じグループなので、どちらかに泊まれば、もう1方のお風呂に入ることはできる。それから、3つ目は、「槍見館」、ここは、今回時間があれば行く予定だったが、さすがに1日に4つのお湯に入る余裕はなかった。
5時間半のバス旅行、思ったほど大変ではなかったので、また新穂高温泉を訪れようと思う。

芦ノ湖に異変

3月1日、芦ノ湖でのニジマスなどの釣りが解禁される。数年前まで、毎年のように解禁直後の芦ノ湖へニジマス釣りに行っていたが、ここ数年ご無沙汰していた。今年は、登山の師匠であるコントン土谷氏が、ちかごろ釣りに興味を示していたので、初心者でも釣れる芦ノ湖へ、一緒に行ってみることにした。
以前は、3月の第1日曜日に出撃していた。解禁になって数日後の最初の休日である。それも、土曜日の夜に現地へ着き、車の中で仮眠して、翌朝5時にボート出船、というパターンだった。それだとあまりに寒いし、くたびれる。そこで今回は、出発は当日の朝とした。10時頃、芦ノ湖の箱根湾の前の県営無料駐車場に到着した。すると、なんと雪が降っていた。と言っても小雪がちらつく程度だったので、簡易レインコートを買いに行って、箱根湾に戻ると、雪はやんでいた。
ここは、無料駐車場の目の前に、5、6軒のレンタル・ボート店が並んでいる。釣り人が集中しても、だいたいどこかの店でボートが借りられる。解禁から3週目でもあり、天気も悪いせいか、一番人気の3人乗りエンジンボートがすぐに借りられた。湖上にも、解禁直後のような大勢のボートはいない。
いつものように、箱根湾の「関所前」というポイントへ向かった。ここは、いわゆる箱根の関所として有名な観光スポットの目の前である。水深5mのあたりで釣りを開始した。エサはイクラで、ベタ底狙い(湖底付近にエサをおろす)。これで、いつもなら10分もすれば釣れ始め、群れが滞在してくれて100匹とか釣れるのだ。しかし、今回は、いくら待っても最初の1匹が釣れない。何か様子が変だ。先日購入した簡易魚群探知機にも、魚群の反応が出ない。
そこで、絶対に釣れるはずのポイント「ボート屋前」に移動(つまり出船場所付近に戻る)した。ここは、手漕ぎのボートでもすぐ行けるので、ボートの混雑場所であり、また、係留されている船のアンカーロープに釣り糸が絡まることがあるので、いつもは敬遠している。それさえなければ、放流直後は絶対にニジマスが釣れる場所なのだ。しかし、ここでも釣れない!
こうなると、秀峰の芦ノ湖スキルではお手上げだ。放流直後に浅い湾内のそこかしこに滞在してるはずの群れが、すでに回遊コースに旅立っていたり、野生化して自分でエサを追って散ってしまってるかも知れない。ヤケクソで、「箱根園」というポイントへ移動した。湖を直線で長径の半分くらい行ったところだ。15馬力のエンジン全開で15分疾走したので、すっかり体が冷えてしまった。そこでも釣れず、また箱根湾へ引き返す。これで完全に体が凍りついた我々は、ギブアップ。
芦ノ湖へ行くようになって、初めての釣果ゼロということになった。あとで聞いた話では、暖冬のせいか、今年の芦ノ湖は、異変が起きているそうだ。湾内ではなく、かなり沖で水深のある場所の、わりと上層で釣れているのだそうだ。
しかも、今回は急激に気温が低下して、雪まで降ったあとである。魚群がいたとしても、エサを食わなかったのかも知れない。時間帯も、早朝を外したのが悪かったか。でも、芦ノ湖のニジマスたちが、それほど繊細な食餌パターンを持っているとも思えないのだが…。

Gmailはすごい

Googleの提供するメールサービスで「Gmail」というのがある。もちろん無料で誰でも使えるし、POP3やSMTPアクセスもできるので、Webメールとしてだけでなく、メールソフトでのやりとりもできる。
ただし、このメールサービスは、メール本文の中の単語などを自動的に認識して、それに即した内容の広告が自動表示されるらしい。なんだか、勝手にメール文章を検閲されている気がしてしまうため、ちょっと「Gmail」を使うのをためらっていた。
しかし、各ユーザーに許されるメールのスペース容量が、3GB弱もあるのだ。それに、その容量は刻一刻と増え続けている。これは何か使い道があれば有効活用できるのに…と思っていたら、すごい使い方ができるのを発見した。
それは、メールの保管スペースに、普通のファイルやら画像ファイルやらも保管できるのである。つまり、Web上のストレージとして使えるのだ。「Gmail Drive」というフリーソフトを使うと、そのメール保管スペースを、自分のPCのドライブ(フォルダ)として認識できるようになる。このツールをインストールして、マイ・コンピュータを開くと、ちゃんと「Gmail Drive」というアイコンが表示される。あとは、保管したいファイルなどを、コピー&ペーストすれば、そのファイルが「Gmail」スペースにアップロードされる。
Webブラウザで「Gmai」lの受信トレイを表示すると、アップロードしたファイルが、1件の受信メールとして保管されている。そのメールの概要を表示して「ダウンロード」をクリックすれば、そのファイルをダウンロードできる。「Gmail Drive」をインストールしていないPCでも、ダウンロードできるということだ。
「Gmail」については、まだほかの詳しい使い方は調べていないので、もっと意外・簡単な使い方があるかも知れない。

渓流釣り、リベンジ

今日、今シーズン2度目の渓流釣りに行った。前回とは違う、神奈川県の丹沢山塊から流れる、早戸川という川だ。この川は、秀峰が生まれて初めてイワナを釣りあげた、記念すべき川だ。今日も、そのときとほぼ同じ源流部に入渓した。
その場所は、360度見回しても、どこにも人工物がなく、他の釣り人も滅多にいない。本当に心地よい場所なので、釣りではなくても、沢登りや山歩きに訪れることもよくある。しかし、ここでの釣りは5年ぶり。状況はまったくわからないので、渓流釣りの一般的な道具と方法で、釣りを始めた。
源流部のヤマメ・イワナは、釣りの中でも最高難易度だと思う。特にイワナは、最初の1匹を釣るのに3年かかると言われる。秀峰がこの川でイワナを釣ったのは、渓流釣り初チャレンジの時だった。それも、3匹釣れた。あの時以来、イワナの姿は見ていない。本当にビギナーズラックだった。源流部のヤマメも、イワナに劣らぬ難関で、とにかくどちらか1匹でも釣れれば満足という感じだ。ヤマメは、食うときも、上品な味と香りがするので、とても好きだ。
さて、最初に糸を垂らした淵で、運良く20cmのヤマメが釣れた。久々に見るヤマメの綺麗な模様に感動した。天然モノだった。天然と言っても、おそらく元は養殖されて放流されたヤマメであろう。渓流で生まれ育った本当の天然モノは、まずいないからだ。釣り人は、1年以上前か幼魚で放流されたヤマメを天然と呼ぶ。尾ビレがシャープなのが特徴だ。
その後、深い淵を選んで、岩陰のあたりを丹念に探る。すると、2匹目のヤマメが釣れた。これは嬉しい。秀峰としては、2匹なら大漁だと思っている。もはや、すぐ釣りを終了してもいいくらいだ。
あとは、大物を狙って、堰堤から流れ落ちる水がプールになっているところで、リール竿を使った投げ込み釣りをすることにした。エサはミミズ、この釣り方は、仕掛けを投げ込んで、ひたすら待つ釣りだ。何回か、竿先にアタリが出たが、どれもミミズを食いちぎられて釣り逃した。おそらく小魚だろう。大物なら、一気に食いつくはずだ。
結局、ヤマメ2匹のあとは釣果はなく、納竿となった。今シーズンの渓流釣り、初勝利となった。そう、2匹でも勝ちなのだ。渓流の釣り、解禁から1週間で白星とは、幸先よいスタートだ。

魚群探知機

携帯型・簡易・魚群探知機を買った。ヤフオクで新品¥8100。
GA ポータブル魚群探知機 GT-8800
秀峰は、あらゆるジャンルの釣りをするんだけど、いちばん好きなのは、海のボート釣りだ。自分が船頭になって、みずから魚のいるポイントを探し出すのが楽しい。その際、最も大切な情報は、水深だ。水深がわかれば、だいたいどんな魚が狙えるかの目安になるからだ。また、海図(海の地図)等には、水深を示す等高線が表示されているから、今いるボートの位置の手がかりにもなる。
ボートから海面へセンサーを投げ入れて(浮かべて)、手元の本体画面で水深がわかるような、携帯型の水深計がずっと欲しかった。以前は、2万円くらいで売られていた。しかし最近、数千円で、水深と魚の有無も表示できる、簡易型の魚群探知機が売られているのを見つけた。
去年あたり購入候補にあがった製品は、水深20m~30mまでしか対応していなかったので、ちょっと物足りなかった。今回みつけたものは、水深45mまで計測できたので、これならボート釣りには困らないだとうと、購入を決めた。
実際に最初に使用するのは、湖になりそうだ。3月1日に解禁になった芦ノ湖へ、ニジマス釣りに出かける予定があるので、そこで性能を確かめられる。この魚探は、淡水も海水も対応しているから、湖でも使えるのだ。「魚が近づくとアラームが鳴る」なんて機能もあるそうだから、本当なのか、使ってみようと思う。

無料ロードサービス

きのう、山梨の道志村へ釣りに行ったときのこと。魚はぜんぜん釣れず、結局「ゼロ匹」という惨たんたる結果だったが、釣りを終えて車にもどると、さらに悲惨な出来事がまっていた!
車は、国道から脇へ入った林道に止めてあったのだが、川から上がって車に戻ったところ…エンジンがかからない!
よく見ると、ヘッドライトのスイッチが入ったままだった。そう、典型的な「バッテリー上がり」だ。車を止めた所の手前の国道にトンネルがあったので、そこでヘッドライトを点け、そのまま車を止めて釣りに出てしまったのだ。「ライト消し忘れでバッテリー上がり」なんて、ドライバー人生で初めての失態だ。しかも、こんな山の中で。
車を止めた林道は、ほとんど廃道のような雰囲気で、通りかかる車もない。とにかく、JAFでも呼ぼうと、車常備の関係書類をさがしてたら、たまたま「無料ロードサービス」と書いてあるパンフレットが目に入った。そうだ、加入している自動車保険に、「無料ロードサービス」が付いていたのだ。これは使えそうだ。JAFは未加入だから、呼んだらけっこう金がかかる。さっそく保険会社へ電話することにした。そしたら、なんと携帯が「圏外」だった!
さあ困った。しばらくその状況を冷静に考えてみた。とにかく、この林道にとどまっていても何も解決しない。国道まで出れば、携帯の電波も入るかも知れない。そこで、国道まで歩い出てみた。しかし、やはり「圏外」だ。そこで、やはりあてもなく国道を歩き出した。すると、運良く10分くらい歩いたところに、食料品店を発見!
公衆電話はなかったので、お店の人に事情を話して、電話を貸してもらった。そこから保険会社に電話したら、30分後にはレスキューの車が来てくれた。「バッテリー上がり」だけなので、作業はすぐ終了した。現場で30分以内の作業なら、どこで呼んでも無料だそうだ。実際、レスキューの車は、現場から25kmくらい離れたところにある業者さんだった。
ちなみに、秀峰の加入している自動車保険は、「三井ダイレクト」という会社で、販売店は、「NTTイフ」というネット上の代理店だ。保険の加入や継続の手続きもネットで済んでしまう(クレジットカード払い)ので便利だ。そのうえ、「無料ロードサービス」も、ちゃんと使えることがわかった。JAFのように会費もいらないので、これは使える。他の自動車保険会社でも、「無料ロードサービス」が付いているものが多いので、ぜひオススメしたい。いや~助かった。

渓流が解禁!

今日3月1日、日本全国の多くの渓流で、ヤマメ・イワナ等の渓流釣りが解禁になった。秀峰は、ここ数年、釣りの趣味が活発でなかったのだが、今年はなぜか渓流釣りが無性にやりたくなった。今日、解禁日を狙って、山梨県道志村の道志川へ行ってきた。結果から言うと、釣果はゼロ匹だった!
まず、釣り始める時間が遅かった。本来なら早朝が狙い目なのだが、寝坊してしまって、釣り始めたのが午前10時頃。あとで聞いたら、ちょうど10時以降にパッタリと釣れなくなったそうだ。それに、晴天で水が澄んでいすぎた。ヤマメ君は非常に警戒心が強く、人影を察知すると用心してエサを食わない。そのため、雨の後など、水が少々濁っていて、日差しも弱い時の方がよく釣れる。
また、狙ったポイントが不味かった。秀峰は、「笹久根」というポイントに入った。ここは大物の実績が多くて有名で、秀峰が生まれて初めてヤマメを釣り上げた記念すべきポイントだった。しかし、解禁日直前に放流される大量のヤマメ君たちは、まだこのポイントまで進出していなくて、みんな放流場所の近辺に集団で留まっていたようだ。放流されるヤマメは、村の集落から川まで敷かれた、ビニールの管を通って放たれる。解禁日に大漁なのは、その放流管の真下で釣る場合だそうだ。要は、現地で情報収集して、放流ポイントの場所を教わり、誰よりもその場所に早く陣どっておかないと、解禁直後の大漁は望めない。
釣りエサについても、間違っていた。野生デビューしたヤマメ君たちは、まだ自分でエサを捕獲する習慣も身についていないので、虫の類のエサではなく、イクラをエサにしないといけないらしい。秀峰はブドウ虫とミミズをエサにして挑んだのだが、まあエサ以前の話で、そこに魚がいないのだから、どっちにしても釣れないわけだ。
渓流釣りというのは、他の釣り人がまったく居ない状況で楽しむのが秀峰の流儀だ。場所取りがあったり、他の釣り人と数珠繋ぎに並んで竿を出すなど、やっぱり受け容れられない。清流の音や鳥のさえずりを楽しみながら、ひとりでのんびり竿を出して、たまーに1匹、ポツポツと釣れればそれでよい。
地元の人に聞いたら、解禁日は確かに特定の場所で沢山釣れるが、その結果、魚が減ってしまって釣れなくなる、ということはないそうだ。むしろ、人が減ってきて、川辺が静かになった方が、釣れやすい面もあるという。なので、次回、近いうち、また行こうと思う。