聖書:姦淫の女

【ヨハネによる福音書 8章1~11節】


イエスはオリブ山に行かれた。朝早くまた宮にはいられると、人々が皆みもとに集まってきたので、イエスはすわって彼らを教えておられた。
すると、律法学者たちやパリサイ人たちが、姦淫をしている時につかまえられた女をひっぱってきて、中に立たせた上、イエスに言った、
「先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。モーセは律法の中で、こういう女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか」。
彼らがそう言ったのは、イエスをためして、訴える口実を得るためであった。彼らが問い続けるので、イエスは身を起して彼らに言われた、
「あなたがたの中で罪のないものが、まずこの女に石を投げつけるがよい」。
これを聞くと、彼らは年寄りから始めて、ひとりびとり出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。
そこで、イエスは身を起して女に言われた、
「女よ、みんなはどこにいるのか。あなたを罰する者はなかったのか」。
女は言った、
「主よ、だれもございません」。
イエスは言われた、
「わたしもあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように」。
しかしよく見ると、一人の婦人がいまだ女に石を投げ続けていた。
その婦人を見て、イエスが言われた。
「あ、お母さん!」


どうでしょうか。最後の3行が付け足されたもので、この話をジョークにしています。
(なお、聖書からの引用部分も、秀峰の判断で一部、省略してあります)
このジョークは、アメリカの作家でゲイリー・レナードという人が紹介していたものです。ほかにも似た内容のバリエーションがあります。最後にイエスが石を投げ始めた、といったものです。キリスト教圏の国の人々でも、聖書をジョークにして楽しんだりするのですね。

ダイエット本を買ってしまった

腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」(江部康二・著/ソフトバンク新書)
http://amazon.jp/dp/4797363800/
■カロリー制限必要なし!
■肉・魚・酒すべてOK!
■運動しなくてもOK!
~1週間で2~3kgストンと落ちる!~
この本は、テレビで紹介されているのを観て、図書館で検索したけど見つからないので、Amazonで買ってしまった。著者の江部康二氏は、医師であり糖尿病治療に有効な「糖質制限食」の体系を確立したと言われる、「糖質制限食」の教祖とも言うべき人物だ(医学会では異端かも知れない)。
「ドクター江部の糖尿病徒然日記」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/
もちろん秀峰も江部信者であるが、今まで教祖様のご著書を読んだことがなかった。教祖様が、糖尿病患者にではなく、一般向けにダイエット本を出しているのを知り、こんかい購入してみた。ちなみに江部氏は、前に紹介した「糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい」の著者とは別人である。
さて肝心の「満腹ダイエット」の本の中身であるが、要するに「糖質制限食」の方法と痩せる根拠を、ひたすら説明しているものだ。そもそも「糖質制限食」とは何か、を知りたい人にはもってこいである。有名なアトキンス博士の「低炭水化物ダイエット」について、江部氏は、「ほとんど同じもの」と言っており、この本の中でもアトキンス式を肯定的に紹介している。ただし、アトキンス式よりも自分の方が、理論的な説明が確固としていると言う。
【私が提唱している「糖質制限食」は、食事のカロリー制限も、運動によるカロリー消費も必要としない、まったく新しいダイエット法。糖質さえセーブすれば、好きなものを我慢せずに食べられます。】
そのほか、衝撃的な記述があったので引用しておく。
【(糖質制限食にすると、)余ったカロリーが尿と呼気で体外へ排出されるようになります。】
【(糖質制限食にすると、)肝臓でカロリーが消費される】
【(糖質制限食にすると、)基礎代謝量が上がる】 
その理由も本書に書いてあるが、これが本当ならスゴイことだと思った。こういうセンセーショナルな記述が、江部はトンデモだと指摘する人の批判を招いているとも言える。

ダイエットについて

「糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい」(牧田善二・著/講談社α新書)
http://amazon.jp/dp/4062726408/

油を摂るからお腹の中性脂肪が増えるのではない。炭水化物の摂りすぎによって余ったブドウ糖が形を変えて、効率のいい熱量である脂肪として蓄えられるのだ。つまりダイエットにおいても、カロリー制限よりも炭水化物制限のほうがいいということになる。
■ ざるそばは砂糖と同じ
■ しめのラーメンは命取り
■ メロンパンは悪魔の食べ物です!

秀峰は糖尿病になって10年経つが、糖質制限食を実施してから、劇的に血糖値が改善した。「糖質+食物繊維=炭水化物」なので、糖質制限食とは、炭水化物(主食)を極力とらない食事のことでもある。この糖質制限食が、糖尿病だけでなく、一般のダイエットにも有効だということで、ここにブログで取り上げてみた。
メタボ対策といって、昼食はザルそばだけ、とか、おにぎり2個だけ、などとやっているのは、ヘルシーどころか、ひたすら内臓脂肪の原料を供給していることになりかねない。おやつは正油味のおせんべいだけ、なども同様だ。炭水化物は体内ではすべてブドウ糖になるので、甘いものを食べているのと同じなのだ。余分なブドウ糖は中性脂肪に変わるので、焼肉や揚げ物を食べなくても、炭水化物を摂りすぎると、内臓脂肪が増えることになる。ダイエットするなら、この「炭水化物→ブドウ糖→中性脂肪」というルートを、きちんと認識した方がよい。
ダイエットを意識している人を見ると、油モノと甘いものは警戒しても、炭水化物はまるで警戒していない場合が多い。ベジタリアンなのに糖尿病になった人のブログを読んだが、原因は、穀物・麺類・パン・根菜などの炭水化物の摂り過ぎだったという。マツコ・デラックスは、肉類が嫌いでほとんど食べないそうだ。ではなぜあの体かというと、本人いわく、「アタシはね、炭水化物でこうなったのよ!皆さん、お米は太りますよ~!」

マジシャンのタネ

前からマジックには興味あって、昔は、八重洲のプロ用マジック・ショップに出入りしてたこともありました。最近、面白い本を見つけたけど、絶版だったので、ヤフオクで定価(¥880)の約2倍で購入しました。

「人気マジシャンのタネぜんぶバラします」

(裏モノJAPAN 5月号別冊/鉄人社)
…上記のAmazonリンクは「2月号」ですが、その中古商品の中に「5月号別冊」が含まれています。
これ、面白いです! セロやDr.レオンなどのストリート・マジックのタネが、図入りでわかりやすく解説されてます。スタジオで行うクローズアップ・マジックなども載ってます。
まず、「通行人」や「偶然そこにいた客」というのは、みんなサクラだそうです。その上、番組スタッフが映像編集まで行って、ミラクルなロケ風景を作り上げるんだそうです。要はマジック+ヤラセ。
また、スタジオで「適当に名指しされた観客」が差し出す「紙幣」とか「家の鍵」なんかも、実は精密な仕掛けがなされた特殊構造だったりするそうです。なんて原始的なことでしょう。
で、そういったサクラさんたちは、ある宗教団体の経営する劇団に所属しているので、非常に口が固く、決してロケ現場やスタジオでの自分の役割などを口外しないんだそうです。
やっぱりそんなもんだったのか。
この本を読んでいたら、オレも久々にマジックを披露したくなってきた。

ウェブ進化論

秀峰は、自称ITエンジニアでもありながら、いまさらやっと、この本を読んだ。
ウェブ進化論/梅田望夫/ちくま新書
Web2.0の本質と背景を詳細に述べている。技術用語も多数使われているので、コンピュータとネットワーク技術に基本知識がないと、読むのがシンドイかも知れない。
「Amazon」と「グーグル」こそ、Web2.0の立役者・主人公である…以前、本書を焼きなおしたような「グーグル・アマゾン化する社会」という本を読んであったが、やはり本家の本書の方が面白かった。
ちなみに、ここ「秀峰日記」のブログに採用している2つのアフィリエイト・システムが、「Amazon」と「グーグル」であるのは、こうした本を読んだ結果からではない。もっと前に、数あるアフィリエイトの中で、この2社のシステムが「面白そうだ」と感じたので、試しにどんなシステムなのか、実際にユーザーとして使ってみたいと思ったからである。秀峰は「アフィリエイトで小遣い稼ぎ」なんて気は毛頭ない。
本書の中で梅田氏は、2005年の郵政解散選挙について触れている。小泉自民党が圧勝することを、永田町ではまったく予測されていなかった中、梅田氏は、ネット空間で丹念にブログの言説を読んだ結果、小泉自民党圧勝を予感していたという。特に「自分は民主党支持者だが今回だけは小泉」という内容のブログが目に付いたと言う。それって、もしかしたら梅田氏、オレのブログ記事も読んでくれたのかなぁと、勝手に嬉しくなってしまった。

ホリエモン-お気の毒-

今日、東京地裁で行われたライブドア事件の最終弁論で、ホリエモンは涙ながらに無罪を主張したそうだ。秀峰は、たまたま昨日から、下記の本を読んでいた。今日、この本を読み終わり、そしてホリエモンが涙したという報道を見て、「なんかホリエモンって、お気の毒」という感想を持った。
ヒルズ黙示録・最終章/大鹿靖明/朝日新書
ニッポン放送株問題では、村上ファンドの村上に「いっしょにフジテレビの経営権を取ろう!」とそそのかされて、ニッポン放送株の大量取得に成功したにも拘わらず、直後、ニッポン放送株が高騰すると、村上氏は「やっぱ売ることにしたから」と、高値になった保有株の大半を売り抜けてしまった。まさに、ホリエモンは村上の手玉に取られた形だった。
ライブドアの証券取引法違反事件も、自社株売却益からの架空売り上げを計上する手口を計画したのはもちろん宮内被告だった。その上、その宮内被告は、中村被告とともに、ライブドアに還流されるべき投資組合からの金の一部を、「着服」してしまったそうである。つまり、事件のもう一つの側面は、ライブドアの資産収奪を狙った宮内被告らの背任横領である。その事実をつかんだ検察は、この背任横領事件を不問に処するのと引き換えに、宮内被告から、ホリエモンを事件の主犯とする筋書きの材料を引き出してきたらしい。(ホリエモン弁護団の主張)
宮内被告や中村被告などの側近にも、ホリエモンは手玉に取られていたことになる。ホリエモンの社長としての役割は、もっぱらマスコミへのパフォーマンスであり、本人も喜んでタレント気取りしている間に、盟友(だったはず)の村上や、側近の連中に、さんざん食い物にされていた。まったくの「バカ殿」ぶりである。これは、日本拝金教の教祖として、その教えを世に広めた天罰であろうと、秀峰は締め括りたくなる。と同時に、「なんてお気の毒な」という同情の念も禁じえない。

読書日記 「私という運命」

「私という運命について」白石一文著/角川書店/¥1600
あまり小説は読まないのだが、白石一文だけは好きで、デビュー作「一瞬の光」からすべての作品を読んでいる。「私という運命について」は、白石の最新刊である。白石のことは、最初は友人に勧められて知り、「一瞬の光」を図書館で借りてきて読んだ。非常に感動した。白石の小説は、テレビドラマ化されるような、薄っぺらでオシャレな恋愛小説ではない。「生きることの意味」を追求する、これこそ、現代の正統派純文学だと思った。

人は、ほんとうにみずからの意志で自分の人生を選び取ることができるのだろうか-。恋愛、仕事、結婚、出産、家族、死……。大手企業に勤務するキャリア女性の29歳から40歳までの“揺れる10年”を描き、「運命」の不思議とその根源的意味を鮮やかに描いた書下ろし900枚、待望の刊行。20万部突破『一瞬の光』の著者がものした新たなる代表作!

白石一文の小説では、よく有名企業が実名、または明らかに特定できる表現で登場する。この小説の主人公「亜紀」の勤務する会社も、「大手企業」「元は電電公社下請」「本社は三田」とくれば、間違いなくNECである。その本社ビルの17階といえば、事業部営業であろう。なんだか懐かしかった。

読書日記 「レックス・ムンディ」

この本は以前紹介した「レンヌ・ル・シャトーの謎」をモチーフとしたアドベンチャー・ホラー小説である。著者は、最近テレビのバラエティ番組でもおなじみの荒俣宏先生だ。この本は「レンヌ・ル・シャトーの謎」を読んでから関連の本を探していて見つけたのだが、最近になって文庫版が出ているのを知って購入した。本の帯には「『ダ・ヴィンチ・コード』の興奮を超える!!」とある。「ダ・ヴィンチ・コード」はいまだに読んでいないが、この「レックス・ムンディ」は確かに面白い。この本の、ヨーロッパ史、キリスト教史に関する記述はおよそ史実であって、「レンヌ・ル・シャトーの謎」についての概要を知るにも適しているから、4800円もする「レンヌ・ル・シャトーの謎」を読むよりは、お手軽に周辺知識を得ることもできる。

南仏の古代遺跡に眠る遺物の発掘。謎の宗教団体からの依頼を受けたレイハンター青山譲は、聖地レンヌ・ル・シャトーへと向かう。彼がかつて発掘に成功し、封印したその石棺をふたたび暴くために。遺物の正体とは、はたして何なのか。世界の王、レックス・ムンディの復活を預言するのは……。膨大な資料と想像力のもと、ヨーロッパ文明最大の謎とタブーに挑む、アドベンチャー・ホラー長編。

【レックス・ムンディ/荒俣宏著/集英社文庫/¥838】

読書日記 「レンヌ=ル=シャトーの謎」

「レンヌ・ル・シャトーの謎―イエスの血脈と聖杯伝説」
この本を買って読んだのは3年くらい前だが、最近、「ダヴィンチ・コード」の種本として紹介されている様なので、読み返してみた。ノンフィクションものだ。ちなみに「ダヴィンチ・コード」はまだ読んでない。
【内容】
1885年、フランスはピレネー山脈の小村、レンヌ・ル・シャトーに、新しい教区司祭として33歳のベランジェ・ソニエールが任命された。あるとき彼は、6世紀西ゴート族の聖地の上に建つ小さな教会を修繕し始めた。この教会は1059年にマグダラのマリアに献堂されたものである。1886年または1887年に彼は、教会の古い柱のくり貫かれた内部から、4枚の羊皮紙を発見した。その文書を読んだソニエールは外の墓地に注目し、墓石に刻まれた暗号を見つけた。その碑文を解読したあと、ソニエールに経済的に大きな転換が起こった。突然、大金持ちになったのだ。 その大金の出所について、さまざまな推測が噂になった。その地方を支配したテンプル騎士団またはカタリ派の失われた財宝、西ゴート族の埋蔵金、錬金術の秘法の発見などの説もあるが、実は彼はとてつもない「秘密」を掴み、ローマ・カトリック教会を脅して巨万の富を引き出したらしい。
その「秘密」を本書の著者たちは、「キリストに子孫がいて、彼らは南フランスへ降り立ち、フランスの王族と結婚し、神聖なメロヴィング王朝が成立した」という説を唱えている。古くからの伝説によれば、マグダラのマリアはイエスの妻であり、イエスの子を身ごもったままイスラエルを出て、南ゴール(レンヌ・ル・シャトーも含まれる)のユダヤ人王朝にたどり着き、その子供を出産したと言われている。つまり、マグダラのマリアが運んだものは、子宮の中のダビデ王という種子であったと考えられている。
『秘密文書』と呼ばれる2通の不思議な文書の写しと写真がパリ国立図書館に保管されている。この『秘密文書』には、様々な家系の系図、モザイク様文字、墓石に刻まれた文字の写しなどが集められている。そして最も興味深いことは、この2通の文書がレンヌ・ル・シャトーの教会の柱の中から発見された羊皮紙と同じ文書であるとの噂があることだ。 また、これらの『秘密文書』には、「プリウリ・ド・シオン団」(シオン修道会)と呼ばれる謎の秘密結社について触れているようであった。
「プリウリ・ド・シオン団」(シオン修道会)は、エルサレムを奪還した第一回十字軍の指導者ゴドフロワ・ド・ブイヨンによって1090年代に設立された。フロンド党やテンプル騎士団の設立にもこの修道会が背後にあったとされている。「プリウリ・ド・シオン団」(シオン修道会)が公言する組織の目的は、メロヴィング王朝とその家系をフランスの王位だけでなく、他のヨーロッパの王位にも復活させることである。それはつまり「王家の血」を守ることを意味する。
「プリウリ・ド・シオン団」(シオン修道会)という不可解な秘密結社は、1956年に自らその存在を明らかにした。フランスの団体・組織の辞典にも、「カトリック規則による騎士道精神と独立伝統連盟組織」というサブタイトルが付けられて掲載されている。そしてその歴代総長には、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、ヴィクトル・ユゴー、クロード・ドビュッシー、ジャン・コクトーといった芸術家や文化人が名を連ねている。
【レンヌ=ル=シャトーの謎―イエスの血脈と聖杯伝説/マイケル ベイジェント・ ヘンリー リンカーン・ リチャード リー共著/ 林 和彦訳/柏書房】